その11:レッスンノートから

送信日時 : 2004年 8月 28日 土曜日 23:45

浜松バッハ研究会のみなさま

訳あって送信が遅くなりました。

 今回はわたしのレッスンノートからいろいろと注意された言葉を書き出してみます。同じ事でも色々な言い方があります。いままで「発声を変えよう」1から10でも出てきている言葉でしょうが、私自身何度も何度も注意されてきたことです。一つに気を取られると他の事を忘れてしまうんですよね。いつでも全部一度にできるようになりたいという希望を抱いて、ひとつひとつ納得しながら書きます。早川がよく言っている言葉も登場します。

【スタイル】
胸を広げて
背中を広げて
体のあらゆる所を開けて
ハトがむくむくと膨らんでいる感じ
自分の器、楽器を広げておく
大きめな器を作っておく
帆を張っておく
出っ尻はダメ、あごが上がっても引き過ぎてもダメ
上から吊られているように
頬を上げて
早め早めに体を準備して
フレーズとフレーズの間の体の立て直しを早く
ブレスのあとの立て直しを早く
揺れて歌わない
重心が揺れると損をする

【息】
時間がある時は鼻から息を吸う
息を止めないで
息を流して
たっぷり息を入れる
のどを開けておいて息を吸う
のどを開けておいて息を流す
息で押さずに響かせる
母音の時になるべく息を使わない節約モードで

【支え】
腹部のまわりに浮き輪を弾くような感じでしっかり支える
お腹を下に広げて
お腹だけでなく腰椎の下から4つ5つぐらいまで下に重心を置く感じ
トトロになったつもりで

【口】
あくびの時のようにあけて
あけようとし過ぎると落っこちる
のどや舌の力を抜いて。最初は頼りなく思うかもしれないけれどそれでよい
のどを開いておいて声を前にだす
口は縦に開けてラッパのように
軟口蓋を上げて
舌根を下げすぎて後ろに落ちない
のどが上がらないように
下あごや舌に力を入れない
基本的に口の中はオの形

【響き】
いかに響かせるか
響く場所を見つける
響きは目の辺りから出る感じ
ハミングで響かせる位置を狙って響かせる
響きをハミングの位置から離さない
一定の点を定めておいて逃げないで歌う
前に響かせる
鼻とハミングの位置の方向の延長上に音を飛ばす感じで
少ない労力で音が響くように
押さない。響きを増す。決して力を入れない。
わさびでツンとくる所を広げる
低音も高音も同じポジションで歌えるように
低音も高音も一つの響きで歌えるように
上の音を出そうとするその空間を保って下の音を出す
鳴らそうと思わないで響かせようとして
後ろから前へ響かせる
細めで前に集めて散らさない
声帯を響かせたまま響きから離さない。鳴ったまま持っていく
音が飛んでも声が切れないように
効率よく響くように・・・省エネで歌う
声帯を鳴らしっぱなしにしておく
ひとつひとつ声帯を閉じない
響きにのっけるとのどが疲れない

【頭】
広げておいて声を出すようにする
鼻の奥、目の裏を広げて
こめかみを後ろに引っ張る
がい骨が緊張した頭感じ
頭がい骨の中で共鳴させる
頭の中の空間を響かせる
天井を高くして
頭皮が頭蓋骨から離れているという意識を持って
コック帽のように上を広げる
第五頚椎を後ろに開ける
いつも上に余裕があるように

【音】
音を上からとる
上から音を置く
柔らかい音・丸い音が出るように
放射状に音を広げる

 よくも同じ事を言われ続けているものだと思いました。5年前も今も同じ事です。多少は高度なことも言われる事があり、少しは進歩していると思いたいです。以前練習がマンネリ化していると言う人がいましたが、自分に課題を持たずに練習に臨んだら、同じ事ばかりいわれてつまらなくなってしまうのかもしれません。私は同じ事を言われ続けていますが、毎回新しい発見があったり、新しいイメージが膨らんだり、わくわくすることばかりのように思います。もちろん分厚い壁にぶつかって、弱気になることもあります。でも苦しみながらも楽しい。やっぱり歌うことが好きなんですね。

言葉を頭で理解してすぐにできれば苦労はしません。ここに書かれた言葉でなにかをイメージしてもらえれば幸いです。