指揮者紹介
三澤洋史プロフィール
1955年 群馬県高崎市新町に生まれる。群馬県立高崎高校から国立音楽大学声楽科に進む。国立音楽大学声楽科卒業後、指揮に転向。
1984年 ベルリン芸術大学指揮科を首席で卒業。
1985年 「東京の夏音楽祭」でブリトゥン作曲歌劇「カーリュー・リバー」の指揮でデビュー。
以来、指揮者としての活動として、これまでに、Symphonisches Orchester Berlin(ベルリン交響楽団)、Orchestra
of St.Cecilia Dublin(ダブリン・聖セシリア管弦楽団)、ブダペスト・MAF管弦楽団、モナコ・モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、群馬交響楽団、等で高い評価を得ている。
1989年 北九州聖楽研究会「マタイ受難曲」演奏会にて、福音史家として共演したエルンスト・ヘフリガー氏により絶賛される。
1994年 韓国国立歌劇場で、李演国作曲歌劇「人は知らず」7回公演を韓国人演出家、キャスト達と共に指揮し、好評を博す。
1996年 名古屋バッハ・アンサンブルコールを率いてドイツに演奏旅行。シュツットガルト、ベルリンのマテウス教会、マリエン教会で「クリスマス・オラトリオ」を公演。各地でスタンディング・オベイションによる賞賛を得る。
2000年暮れから2001年初めにかけて、浜松バッハ研究会と共にドイツ演奏旅行。エアフルト、ハレでのロ短調ミサ曲の成功に加えて、バッハが晩年カントールとして活躍したライプチヒの聖トマス教会では、新年の音楽礼拝を聖トマス教会聖歌隊に代わって務めた。
2002年1月、新国立劇場において、フンパーディング作曲「ヘンゼルとグレーテル」を指揮する。(東京交響楽団)
2005年5月1日の東京交響楽団特別演奏会「三澤洋史のドイツ・レクイエム」では癒しのレクイエムを追求して大成功した。
2005年と2007年7月、新国立劇場において、プッチーニ作曲「蝶々夫人」を指揮する。2008年11月、尼崎アルカイック・ホールでも指揮する予定。
合唱の分野においては、かねてより二期会合唱団、東京オペラ・シンガーズなどプロ合唱団の指導に定評があり、シャルル・デュトワ、ホルスト・シュタインなど外来指揮者からの人望も厚い。我が国における合唱指揮者の第一人者として広く知られている。
1999年より2003年まで、ワーグナーの聖地とも言われるバイロイト音楽祭で、バイロイト祝祭合唱団の指導スタッフの一員として従事する。
2001年9月より、新国立劇場合唱団指揮者に就任。この合唱団を世界のトップレベルと言われるまでに鍛え上げた。「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を上演した時のドイツ、メルクール紙の批評「これと同じレベルは、ただバイロイトでしか求められない。」
がその事実を物語っている。
宗教曲の分野では、クリストファー・ホグウッドのアシスタントを務め、オリジナル楽器や、古楽唱法、バロック様式感などを習得。バッハに深く傾倒しており、「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ曲」などの大曲を全て暗譜でレパートリーに有する。
2006年、「21世紀のバッハ」を追求するため、東京バロック・スコラーズを立ち上げた。ハイレベルの演奏を追求するのみならず、講演会や公開レッスンなどを通して多角的な活動を行う。またバッハを愛する個人や団体とのネットワークを築き、我が国のバッハ活動におけるセンターとなることをめざしている。
講演や放送の分野でも活躍。日本ワーグナー協会主催や京都ヴェルディ協会主催など多数の講演会で講師を務める。2001年及び2003年12月には、NHK-FMにおいてバイロイト音楽祭の全演目の解説を担当する。NHKでは、その他にも海外音楽コンサートの解説などを行っている。
作曲、台本、演出も手がける。作品にミュージカル「おにころ」「愛はてしなく」「ナディーヌ」音楽劇「ノアの箱舟」「ぐるんぱのようちえん」などがあり、これらの作品を上演するために生まれ故郷である群馬県高崎市新町に新町歌劇団を結成、音楽監督として精力的に活動している。
パリを舞台にした新作「ナディーヌ」が2004年夏、国立芸術小ホールと新町文化ホールの提携で大成功を収めて以来、この二つのホールの提携公演は2006年「おにころ」再演と続き、2008年8月には「愛はてしなく」再演予定。
2004年、新国立劇場が始めた子供のためのオペラ劇場「ジークフリートの冒険」では、四夜にわたる膨大な、ワーグナー作曲、楽劇「ニーベルングの指輪」のハイライトをわずか一時間にまとめて編曲。絶大なる人気を博した。この作品は海を渡り、ウィーン国立歌劇場にて取り上げられ、2007年11月に初日を迎えた。これは各新聞で絶賛され、現在まで上演が続けられている。2008年秋にはスイスのチューリヒ歌劇場で上演予定。新国立劇場では2008年7月に、ウィーン版による凱旋公演を行う。
2006年には新作「スペース・トゥーランドット」を発表。大人気を博し、2007年に再演された。
声楽を伴うあらゆる様式の音楽に精通し、言葉と音楽、ドラマと音楽の接点を追求している。
日本顕彰会より社会貢献者賞受賞、上毛新聞社より上毛音楽賞受賞。
愛知県立芸術大学、京都教育大学、東京藝術大学非常勤講師、名古屋芸術大学客員教授、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール専任指揮者などを経て、現在、新国立劇場合唱団合唱指揮者。
浜松バッハ研究会、 志木第九の会、名古屋モーツァルト200合唱団常任指揮者、 新町歌劇団音楽監督、東京バロック・スコラーズ音楽監督。
(以上、2012年1月1日現在)
三澤先生の横顔
性格:本業の音楽に対する要求は極めて高く、相手がわれわれの様なアマチュアでも、決して低いレベルでの妥協はされない方です。しかしそれ以外のことについてはいたって大らかかつ寛容で、少なくとも浜松バッハ研の練習で怒鳴られたことはまだ一度もありません。
音楽の好み:J.S.バッハ、ワーグナー、そして自作の上演。あと練習中のお話や時折ピアノの即興演奏でジャズ的なことを披露してくださいます。また民俗音楽的なものも興味をお持ちのようです。
好奇心旺盛、親分肌:具体的には合宿の折など、様々な団員のどんな話題にも(相手が子供でも)興味を持って話し相手になってくれますし、また合唱団の運営上の相談にも積極的にのっていただいています。